「相場がよく動く時」と「静かな時」、見た目だけで判断していませんか?
そんな“肌感覚の判断”を数値で明確にしてくれるのが、**ATR(Average True Range)**です。
ATRは、**相場の「ボラティリティ=値動きの大きさ」**を測定するインジケーター。
価格が上下にどれだけ動いているかを可視化することで、
“今エントリーしてもいいのか?タイミングを待つべきか?”の判断材料になります。
この記事では、ATRの仕組み・使い方・バイナリーでの活用法・注意点・Q&Aまで、
初心者にもわかりやすくプロ目線で徹底解説します。
ATRとは?値動きの“広さ”を測るインジケーター
ATR(Average True Range)は、ローソク足の値動きの大きさ=ボラティリティを数値化するインジケーターです。
“価格の上下にどれだけ動いているか”をシンプルに計算し、相場が荒れているか落ち着いているかを一目で判断できます。
📊 ATRの計算イメージ
編集する現在のローソク足の「高値−安値」「高値−前日終値」「安値−前日終値」の中で一番大きい値 → True Range
これを指定期間で平均化 → ATR値
💡 言い換えれば、「どのくらい上下に“振れた”かの平均値」。
値が大きければ“よく動いている”、小さければ“落ち着いている”相場と判断されます。
📈 ATRの表示形式
- 多くの場合、ローソク足の下に1本のラインとして表示されます
- ラインが上昇 → 値動きが大きくなっている(ボラティリティ上昇)
- ラインが下降 → 値動きが小さくなっている(ボラティリティ低下)
📐 数値の使い方(例)
- ATR=0.0020(USD/JPYなど)なら、「1本あたり約2.0pips動いている」目安
- 指標前後などではATRが急上昇するため、“荒れ相場”や“チャンスの直前”と読むことも可能

バイナリーでの使い方|エントリーを避けるべき相場を見抜く
ATRはバイナリーにおいて、「今、入るべきか・様子を見るべきか」を判断するための環境フィルターとして使われます。
「インジケーターのサインは出たけど、相場が全然動いていない」
「勝てそうなタイミングだけど、急変動が怖い…」
そんなときに**“ATRの値”を確認することで、リスクを数値で把握できる**のです。
✅ 使い方①|ATRが極端に低い → ノーエントリー
- 値動きが少なすぎる相場では、どんなに正確なサインが出ても反応しにくい
- 価格がだらだらと横ばい → 負けるパターンの典型
✅ 1分足なら「ATRが0.0015以下」など、自分の取引スタイルに合わせて“基準値”を設定しておくと便利です。
✅ 使い方②|ATRが急上昇中 → 注意エリア
- 指標発表・要人発言・急変動が発生した直後はATRが一気に上がる
- 動きが大きすぎる相場は、**テクニカルが効かなくなる(“ノイズ”だらけ)**ため、見送りが無難
💡 ATRが上がっている=動いている=“チャンス”と思われがちですが、予測不能=ギャンブル化の可能性も。
✅ 使い方③|ATRの“安定ゾーン”でのみエントリー
- 自分が得意な相場(例:1分足ATRが0.0020〜0.0040)を把握しておき、
- その範囲外ならエントリーそのものを避ける
これを守るだけで、“なんとなく入った負けトレード”がかなり減ります。
他インジケーターとの組み合わせ例
ATRは“値動きの大きさ”を見るインジケーターであり、
「今の相場はエントリーすべきかどうか?」という環境判断に特化しています。
そのため、エントリータイミング系やトレンド認識系インジケーターとの併用で真価を発揮します。
🔗 組み合わせ①|ATR × RSI(逆張りの精度UP)
- **RSIのサイン(買われすぎ・売られすぎ)**が出たときに、
- ATRが極端に低ければ“見送り”
- 程よいボラがあれば“反発の動きが起きやすい”
✅ RSIの“根拠”をATRで補強して、「動きがあるタイミングだけ狙う」構成に。
🔗 組み合わせ②|ATR × MACD or MA(トレンド型の補助)
- MACDや移動平均線で「方向性」を捉えたうえで、
- ATRで「そのトレンドに乗る“だけの勢い”があるか?」を確認
✅ トレンドが強そうでも、ATRが低い=動いていないなら“サイン無視”の判断ができる。
🔗 組み合わせ③|ATR × サインツール(フィルターとして使用)
- ツールが点灯しても、「ATRが低い」「不安定な動き」ならあえてスルーする判断基準に使える
- “騙しを見抜く補助”としてATRを設定値に組み込むのも有効
✅ 組み合わせの本質
- ATRは「エントリーするかどうか」の判断を一歩引いて見せてくれるインジ
- サインに飛びつく癖がある人こそ、ATRとの併用で“ムダ打ち”を防ぐ効果大です
よくある質問|ATRに関するQ&A
❓ Q1. ATRの数値が高い=エントリーチャンスではないの?
A. 必ずしもそうではありません。
ATRが高いということは「よく動いている」ということですが、
**“動きすぎてテクニカルが効かない(ノイズだらけ)”**という場面も含まれます。
✅ ATRが急上昇しているときは「予測不能な動き」が多発するため注意が必要です。
❓ Q2. ATRの“具体的な基準値”ってどれくらい?
A. 時間足や通貨ペアによって異なりますが、目安は以下の通り:
時間足 | 通常ゾーンの目安 |
---|---|
1分足 | 0.0020〜0.0040 |
5分足 | 0.0040〜0.0080 |
この範囲外(極端に低い or 高すぎ)では、“勝ちにくい相場”として見送る判断材料にしましょう。
❓ Q3. ATRの設定値は変更すべき?
A. 通常は「14」のままでOKです。
短期足に合わせて「7〜10」に変更することもありますが、“平均”を見る目的の指標なので極端に短くしないのが基本です。
❓ Q4. エントリー“タイミング”の判断には使えないの?
A. ATRは“いつ入るか”よりも“入ってもいい状況か”を見る指標です。
タイミング判断には、RSI・MACD・ストキャスなどの反応系インジケーターと組み合わせましょう。
まとめ|ATRはこんな人におすすめ
ATRは、バイナリーオプションにおける“環境判断の補助インジケーター”として非常に優秀です。
値動きの大きさ=ボラティリティを数値で把握できることで、
「サインは出たけど今エントリーすべきか?」という“迷い”を減らしてくれます。
✅ こんな人におすすめ!
- サインにすぐ飛びついて失敗しがちな人
- 動いてない相場で負けることが多い人
- 指標直後など“荒れ相場”を避けたい人
- 自分の得意な値動きゾーンを明確にしたい人
- チャートを“リズムと勢い”で判断したい人
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