ローソク足の背景に、ゆるやかに伸びる1本のライン。
それが**移動平均線(Moving Average)**です。
多くのインジケーターの基礎にもなっているこのラインは、
相場の流れやトレンドを視覚的に把握するうえで欠かせないツールとされています。
特にバイナリーオプションでは、
「価格が平均線を超えた/割った」「クロスが発生した」などを手がかりに、
順張り・逆張りの根拠を強化する戦略が多く活用されています。
この記事では、SMAとEMAの違い・特徴・使い方・おすすめの組み合わせを、
初心者向けかつプロの視点からわかりやすく解説していきます。
移動平均線とは?SMAとEMAの違いと基本構造
**移動平均線(Moving Average)**は、一定期間の価格の平均値をグラフ上に線として表示することで、
相場の方向性(トレンド)を視覚的に捉えるためのインジケーターです。
価格の変動に対して滑らかに動くこのラインは、
「今の相場は上昇傾向か、下降傾向か」を直感的に判断する材料として、プロも初心者も必ず使う基本ツールです。
🟡 SMA(単純移動平均線)とは?
- 過去の一定期間(例:20本)の終値を単純に平均して描く線
- 価格の変動にゆるやかに反応するのが特徴
- ノイズを少なく、全体の流れを重視したいときに適している
🔴 EMA(指数平滑移動平均線)とは?
- 直近の値動きを強く反映するように設計された平均線
- SMAよりも価格の変化に素早く反応する
- エントリータイミングの早さを重視したいときに使われる
⚖️ SMAとEMAの違いまとめ
比較項目 | SMA(単純) | EMA(指数) |
---|---|---|
計算方法 | 各期間を等しく平均 | 直近の価格に重みを置く |
反応速度 | ゆっくり(安定) | 速い(敏感) |
特徴 | トレンドの持続確認向き | エントリータイミング判断向き |
💡 実戦では「SMAで全体の流れ」「EMAでエントリーポイント」を見る使い分けも有効です。

バイナリーでの使い方|順張り・クロス・サポート判断
移動平均線は、バイナリーオプションにおいても非常に汎用性が高い指標です。
エントリーポイントの明確化から、相場環境の見極め、サポートラインの可視化まで、さまざまな形で活用されています。
✅ 基本の活用法①|価格とMAの位置関係で「順張り」
- 価格が移動平均線より上にある → 上昇トレンド → ハイエントリー
- 価格が移動平均線より下にある → 下降トレンド → ローエントリー
トレンドの“流れに乗る”シンプルな順張り戦略です。
✅ 基本の活用法②|ゴールデンクロス・デッドクロス
- 短期EMAが長期SMAを下から上に抜ける → ゴールデンクロス → ハイエントリー
- 上から下に抜ける → デッドクロス → ローエントリー
クロス直後ではなく、ローソク足の確定を待つ+ヒストグラム等で補強すると精度が上がります。
✅ 基本の活用法③|移動平均線は“動くサポレジ”
- 上昇トレンド中に、価格がEMA/SMAに触れた後反発 → 押し目買いのタイミング
- 下降トレンド中に、平均線で反発して再下落 → 戻り売りのタイミング
移動平均線は、“角度のあるサポートライン”や“天井・底”としても意識されやすいです。
🎯 どの期間設定を使えばいい?
トレードスタイル | おすすめ設定 |
---|---|
短期(1〜5分足) | EMA 5・20、SMA 10・20 |
中期(5〜15分足) | EMA 12・26、SMA 25・50 |
Bubingaなどのブローカーでは、デフォルトでEMA20やSMA14が使われていることが多いです。
他インジケーターとの組み合わせ例
移動平均線は、それ単体でも強力な判断材料ですが、**“相場の流れは見えるが反発タイミングは読みにくい”**という弱点があります。
そこで、他のインジケーターと組み合わせることで、エントリーの精度・再現性をさらに高めることが可能になります。
🔗 組み合わせ①|移動平均線 × RSI
- SMAでトレンド方向を確認し、RSIでエントリーのタイミングを測る
- 順張り時にRSIが反発サインを出せば、押し目・戻り売りの根拠が強化される
🔗 組み合わせ②|移動平均線 × MACD
- クロスのタイミング+MACDのGC/DCでトレンド転換の根拠が倍増
- 移動平均線で“視覚的サポート”、MACDで“勢いと転換”を見極める組み合わせ
🔗 組み合わせ③|移動平均線 × ボリンジャーバンド
- ミドルバンド(20SMA)と価格の位置関係を、複数の時間足で分析
- 価格がバンドに沿ってMA上を進行する場合はトレンドが継続中の合図
✅ 組み合わせ時の注意点
- SMA・EMAは“方向性”を担当、他インジは“勢いや反発”を補助
- 同じ系統(例:SMA×EMA)を重ねすぎると判断が鈍ることもあるので、役割分担を意識して組み合わせるのがベスト
よくある質問|移動平均線に関するQ&A
❓ Q1. SMAとEMA、どちらを使えばいい?
A. 目的によります。
- SMAは全体の流れ(トレンドの持続)を重視したいときにおすすめ
- EMAはエントリーポイントを早く掴みたい短期トレード向け
実戦では両方を同時に使うトレーダーも多く、SMAで方向を確認し、EMAでタイミングを測るといった併用も効果的です。
❓ Q2. 何本の移動平均線を表示すればいい?
A. 2~3本が目安です。
例えば「短期EMA(5)×中期SMA(20)×長期SMA(50)」のように、それぞれの役割を明確に分けて使うと視認性が上がります。
ただし、線を増やしすぎるとチャートが見づらくなり、判断ミスの原因になることも。
❓ Q3. バイナリーで使う場合、どの足(時間軸)を見る?
A. 1分・5分足を組み合わせて使うのが主流です。
- 5分足のMAで“流れ”を確認し、
- 1分足のMAで“タイミング”を測るのが王道のマルチタイム分析です。
❓ Q4. クロス直後にエントリーしていい?
A. クロスの瞬間は“ダマシ”のリスクもあるため、
ローソク足の確定や他インジケーターの反応と合わせて判断するのが安全です。
ヒストグラムやローソクのパターンと組み合わせることで信頼性が向上します。
💡 例えば、「5分足のSMAで全体の流れを確認し、1分足のEMAでエントリーのタイミングを測る」
といったマルチタイム+MA併用戦略が、プロにもよく使われる王道構成です。
まとめ|移動平均線はこんな人におすすめ
移動平均線(SMA / EMA)は、最も基本的かつ応用力の高いインジケーターのひとつです。
価格が上がっているのか下がっているのか、その“方向性”をシンプルに把握できるだけでなく、
エントリーの根拠や、押し目・戻りのポイントの判断にも活用できます。
✅ こんな人におすすめ!
- 相場の“流れ”を迷わず把握したい人
- 感覚ではなく“ラインでの根拠”を持ちたい人
- 順張りメインでトレードを組み立てたい人
- 他のインジと組み合わせて根拠を重ねたい人
- 1分 or 5分足など複数時間軸で環境認識をしたい人
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