ADX(Average Directional Index)は、相場のトレンドが“どれだけ強いか”を数値で把握できるインジケーターです。
方向性の有無ではなく、「そのトレンドが信頼に足るものかどうか」を見極めるために使われます。
バイナリーオプションでは、**順張りエントリーの精度を上げるための“フィルター指標”**として重宝され、
MACDや移動平均線では見えにくい“勢いの裏付け”を補強できます。
この記事では、ADXの仕組み・見方・使い方・組み合わせ・Q&Aまで、順張り判断を精密化したい方に向けて詳しく解説します。
ADXとは?トレンドの“強さ”を数値で可視化する指標
**ADX(Average Directional Index)**は、現在のトレンドが“どれほど強いか”を数値で表すインジケーターです。
方向性そのものではなく、トレンドの“勢い”や“持続性”に注目するのが特徴です。
価格が上昇していても、ADXが低ければ「トレンドとしては弱い」。
逆に横ばいに見えてもADXが上昇していれば、強いトレンドが水面下で進行している可能性もあるという判断ができます。
📊 ADXの構成と数値の見方
要素 | 説明 |
---|---|
ADX(主線) | トレンドの強弱を数値化。0〜100の範囲で推移 |
+DI(方向性指標・上昇) | 上昇方向の勢い |
-DI(方向性指標・下降) | 下降方向の勢い |
※バイナリーでは「ADXのみ表示」も一般的ですが、+DIと−DIも合わせて見ることで判断の質が上がります。
🔢 ADX数値の目安
ADX値 | 状態 | 解釈 |
---|---|---|
20以下 | 弱い or 横ばい相場 | 順張り非推奨(だましが多い) |
25〜40 | 中程度のトレンド | 順張り有効な可能性 |
40以上 | 強いトレンド発生中 | 順張りエントリーの好機 |
✅ 「値が大きいほど信頼度の高いトレンド」と判断できます。
バイナリーでの使い方|順張り判断をフィルターする
ADXは、バイナリーにおける順張り戦略のフィルターとして非常に効果的です。
エントリー直前の“判断の一押し”というより、そもそも順張りが通用する相場かを見極める指標として使います。
✅ 使い方①|ADXが20以下 → 順張りを避ける
- ADXが低い=方向性が弱い or レンジ相場
- この状態で順張りしても、価格が伸びきらずに反発されるリスクが高い
✋ サインツールが点灯していても、ADXが低ければノーエントリー判断が正解になることも。
✅ 使い方②|ADXが25以上 → 順張り判断の後押し
- トレンド方向が出ていて、ADXも上昇していれば**“本物のトレンド”と判断しやすい**
- MACDやMAと組み合わせた順張り戦略が有効になる
✅ 使い方③|ADXがピークアウトしてきたら様子見
- ADXが40〜50で一度止まり、下がり始めたらトレンドの勢いが衰え始めている可能性
- 無理に順張りを継続せず、様子見 or フィルター強化が安全
🔍 +DIと−DIの補足活用
- +DI > −DI のとき → 上昇トレンド優勢
- −DI > +DI のとき → 下降トレンド優勢
- この2本が大きく乖離していて、ADXも高ければ“順張り確信ゾーン”
他インジケーターとの組み合わせ例
ADXは「トレンドの強さ」だけを測るため、方向性やタイミングを判断する他のインジケーターとの組み合わせが前提となります。
単体ではエントリーポイントを判断しづらいため、“裏付け”や“地合いチェック”として併用することで真価を発揮します。
🔗 組み合わせ①|ADX × MACD
- MACDでトレンド転換や方向性を把握
- ADXでそのトレンドが信頼できるかをチェック
- 特にMACDのクロス後にADXが上昇していれば順張り精度が高い
🔗 組み合わせ②|ADX × 移動平均線(MA)
- MAが上向き&ローソク足が上にある → 上昇トレンド
- このときADXも上昇していれば、「伸びるトレンド」として信頼性アップ
✅ ADXが低いままでは“ダマシのトレンド”の可能性もあるため、MAだけに頼らない構成が重要
🔗 組み合わせ③|ADX × サインツール or エントリー系ロジック
- ツールが点灯していても、ADXが低ければそのトレンドは弱い可能性あり
- 特に短時間で何度も点灯するツールと相性が良く、精度のフィルターとして活用できる
✅ 組み合わせのポイント
- ADX=「今の流れに乗る価値があるか?」を数値で判断
- 自動売買や裁量問わず、順張り戦略における**“信頼度の裏付け”**として位置付けると効果的
よくある質問|ADXに関するQ&A
❓ Q1. ADXが高い=買い?低い=売り?
A. ADXはあくまでトレンドの“強さ”を示す指標であり、上昇・下降の“方向”は示しません。
方向は +DI(上昇)と −DI(下降)の関係で確認するか、MACDやMAと組み合わせて判断する必要があります。
❓ Q2. バイナリーでのADXの使いどころは?
A. 順張り戦略において「今この方向についていっても良いのか?」を判断する補助指標として使います。
サインツールやロジックだけでは不安な場面で、“そのトレンドに乗る根拠”を数値で裏付ける役割があります。
❓ Q3. ADXが急に下がるのはなぜ?
A. トレンドが崩れて、価格がもみ合い・レンジ状態に移行しているサインです。
こうした場面では順張りは機能しにくいため、無理にエントリーせず、次の波を待つことが推奨されます。
❓ Q4. 初心者が見るべきラインは?
A. ADXライン単体なら、まずは20を基準とし、
- 20以下:順張り非推奨(地合いが弱い)
- 25〜40:順張り可能性あり
- 40以上:強いトレンド発生中
という目安で使うと分かりやすく、無駄なトレードも減らせます。
まとめ|ADXはこんな人におすすめ
ADXは、「今のトレンドが信頼に足るものかどうか」を見極めるための指標です。
方向性ではなく“勢い”を数値化することで、順張りエントリーの根拠を強化し、無駄なエントリーを避けることが可能になります。
✅ こんな人におすすめ!
- トレンドの“本物感”を判断できずに失敗してしまう人
- MACDやMAだけではエントリーの確信が持てない人
- 順張り戦略を中心に構築している人
- サインに飛びつく前に“信頼性”を数値で確認したい人
- トレンドの終了や減速をいち早く察知したい人
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